備忘録 反省

相場から退場しかけたときの話 A Probability killed the cat

2019/06/25

この記事は不甲斐ない意志の弱い自分への戒めとしての記事です。

カジノのルーレットで「赤」と「黒」どちらに賭けますか??

 ”期待値”という概念については、計算が正しければ、理論的には矛盾しない。

 けど、理論を実践に移すのはなかなか上手くいかないのが常である。

カジノのルーレットで、10回連続で「赤」が出ていたとして、11回目にまた「赤」に賭けられるかと言われて賭けられる人は少ないと思う。

現実には11回目も確率は50%なので、赤白どちらに賭けても確率は変わらないのであるが、確率の揺り戻しを考えて「黒」に賭けてしまいがちになる。

確率論的には50%で、積極的に「黒」に賭ける理由などないのに、次は「黒」と判断してしまう心理状況。

合理性を無視して、主観によって都合よく確率が捻じ曲げられた心理状態を”ギャンブラーの誤謬”という。

より詳しくは、Wikipedia(英語)を参照。

Gambler's fallacy - Wikipedia

これは投資の世界でもあるあるで、株価が一本調子で2,3日上がり続けていると、「そろそろ下がるかなって」気になってくる。

個人的には急騰した銘柄・指数については調整がある程度入るケースがあるので、ある意味正しいと思うところはあるのだけれども、これにこだわりすぎると相場で死ぬ。(=退場する)

ギャンブラーの誤謬で死にかけた日

個人的に経験しているケースにおいては、2016年11月のアメリカ大統領選挙。

ドナルド・トランプ氏とヒラリー・クリントン氏の一騎打ちで、前評判はクリントン氏の優勢。トランプ氏は過激な発言やそのバックボーンから劣勢に思われていた。オレもなんだかんだ言ってクリントン氏だろうと予想していた。

選挙結果の市場影響の事前予想では、

トランプ氏勝利=>保護貿易強化=>景気悪化=>日経平均下落

ヒラリー氏勝利=>これまでの政策維持=>日経がどちらに転ぶか不明

のシナリオだった。世論もおおむねそんな感じだったように思う。

選挙選当日、日本時間では昼の時間帯だったので、速報は日中に随時確認できる状況であった。

そこで、ヒラリー氏がかなり苦戦をしていることを知る。むしろ劣勢に近い。でもこの時点ではまだ、どうせヒラリー氏が勝つ、という判断だったので何もせず。

そして14時くらいだったか、ヒラリー氏の逆転勝利がほぼ絶望的になった。

そして、オレはこの段階で事前予想通りに全力ショート。しかも日経平均先物ミニ。

(当時は個別株よりも指数をメインでやっていた。 )

 結果はいったん下げた後、ダダ上がり。。。一時的な上げかと思い、損失は広がるがザラ場はそのままにしてしまった。

でも先物の夜間がスタートしても、上げが止まらない。。途中、当初のポジションは損切りしていたが、節目節目でショートで入って損切を繰り返した。

今であれば、トレンドに乗ってロングで入るのであるが、当時はそれができなかった。最終的な結果は、過去の成績の履歴でも確認できるが、2日で数百万の損失を抱えてあと一歩で死亡(退場)するところであった。

なぜロングで入れなかったか?

それは事前予想で”トランプ氏勝利=ショート”の図式が頭にあったのも原因であるが、大きいところは

「これだけ急に上がったのだから、そろそろ下げに転じるはずだ」

という根拠のない妄信からである。

この”根拠のない妄信”こそ”ギャンブラーの誤謬”に他ならない。

その後とこれから

資産の大半を失った後、正直放心状態だった。足の震えが止まらないし、飯は食べる気が起きない、夜もあまり眠れずに朝を迎えることになった。

その時だけは電車に突っ込んじゃう人の気持ちが少しわかった。そんな勇気はなかったけど。

この、たった2日間で資産の大半が経験が経験がもとになって、今のチキン取引をメインにするスタイルが出来上がったといっても過言ではない。

まぁこの出来事以降もいろいろ失敗して出来上がっている部分はあるけれども、大きいところはこの出来事が影響を及ぼしている。(この前段階でブレグジットっていうのもあるけども)

なんか自分の恥部をさらして当初の統計からの派生話ではなくなってしまったけども、今現在一応ながら生き残っているのも経験が活きていると考えると、これからもこの出来事から学んだことを活かしていきつつやっていくことが大事なのかなと考えている。

あまりまとまらなかったが、今回はこの辺で。ありがとうございました。

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